好きだと言ってほしいから
だけど今日は何となく思い立ち、私も一緒に連れてきてもらったのだ。
急だったから着て行く服がなく、駅前のデパートで水色のTシャツと黒いジャージ素材のハーフパンツ、安いランニングシューズを買った。
ジムの受付で体験入学の手続きを済ませ、更衣室で着替える。長い髪はポニーテールにした。
廊下に出ると逢坂さんは既に着替え終えていて、廊下の壁に背を預けて立っていた。
「なかなか似合ってる」
そう言って私の全身にさっと視線を走らせた彼は、背後に回るとポニーテールをするりと撫でた。
「行こうか」
「はい」
彼に背を押されて廊下を進む。目の前の扉を開けるとさっきまでガラス越しに見ていたフロアがあった。ランニングマシン、バイク、ダンベル、他にもよく分からないマシンがたくさんある。私はテレビでしか見たことのないそれらをキョロキョロと見回した。
逢坂さんが頭上でくすりと笑った。
「どれがやりたい?」
「ええっと……」
首をかしげて暫し考える。重いものを持ち上げる筋力トレーニング系のものは避けて有酸素系の運動にしておこう。ランニングマシンが並んだ方をちらりと見た。思っていたよりも女性が多い。私ぐらいの年齢から五十代くらいの人もいた。
「逢坂さんはいつも何をするんですか?」
急だったから着て行く服がなく、駅前のデパートで水色のTシャツと黒いジャージ素材のハーフパンツ、安いランニングシューズを買った。
ジムの受付で体験入学の手続きを済ませ、更衣室で着替える。長い髪はポニーテールにした。
廊下に出ると逢坂さんは既に着替え終えていて、廊下の壁に背を預けて立っていた。
「なかなか似合ってる」
そう言って私の全身にさっと視線を走らせた彼は、背後に回るとポニーテールをするりと撫でた。
「行こうか」
「はい」
彼に背を押されて廊下を進む。目の前の扉を開けるとさっきまでガラス越しに見ていたフロアがあった。ランニングマシン、バイク、ダンベル、他にもよく分からないマシンがたくさんある。私はテレビでしか見たことのないそれらをキョロキョロと見回した。
逢坂さんが頭上でくすりと笑った。
「どれがやりたい?」
「ええっと……」
首をかしげて暫し考える。重いものを持ち上げる筋力トレーニング系のものは避けて有酸素系の運動にしておこう。ランニングマシンが並んだ方をちらりと見た。思っていたよりも女性が多い。私ぐらいの年齢から五十代くらいの人もいた。
「逢坂さんはいつも何をするんですか?」