好きだと言ってほしいから
耳元で囁かれた言葉に、私は自分の耳を疑った。すっと欲しくて欲しくてたまらなかったその言葉。私が彼との関係に不安を感じていたその理由。
胸に回された彼の腕を掴む、私の両手が震えた。滑り出した声もやっぱり震えている。
「だって、そんな……私……てっきり好きだと思ってるのは私だけなんだと……思ってて………」
「どうして!」
急に体を離されて、肩を掴まれた私は逢坂さんの真正面に体を向けられていた。彼が私の瞳を覗き込む。
「俺は君が好きだった。今でも好きだ。だけど、麻衣は俺と一緒のときはいつも緊張していただろう? だから君はきっと俺と一緒だと気が休まらないんだと思ってた」
「ち、違います! 私は逢坂さんだけがずっとずっと好きで……だ、だから同じ会社に入ったんです。逢坂さんが日栄に入社したから私も……頑張ったんです。もし、入れたら絶対に気持ちを伝えようと思って頑張ったんです」
私も負けじと声を張り上げた。そんな風に彼に誤解されていたなんて知らなかった。
「じゃあどうして合鍵を受け取ってくれなかったの?」
「えっ?」
合鍵? 私は首を傾げた。合鍵ってあの可愛いクマのキーホルダーのこと?
「俺、女の子に鍵渡すなんて初めてだったら、かなり緊張してたのに、君はそれを受け取って一回使った後、あっさり俺に突き返した……」
「あ……」
「正直、落ち込んだよ……」
胸に回された彼の腕を掴む、私の両手が震えた。滑り出した声もやっぱり震えている。
「だって、そんな……私……てっきり好きだと思ってるのは私だけなんだと……思ってて………」
「どうして!」
急に体を離されて、肩を掴まれた私は逢坂さんの真正面に体を向けられていた。彼が私の瞳を覗き込む。
「俺は君が好きだった。今でも好きだ。だけど、麻衣は俺と一緒のときはいつも緊張していただろう? だから君はきっと俺と一緒だと気が休まらないんだと思ってた」
「ち、違います! 私は逢坂さんだけがずっとずっと好きで……だ、だから同じ会社に入ったんです。逢坂さんが日栄に入社したから私も……頑張ったんです。もし、入れたら絶対に気持ちを伝えようと思って頑張ったんです」
私も負けじと声を張り上げた。そんな風に彼に誤解されていたなんて知らなかった。
「じゃあどうして合鍵を受け取ってくれなかったの?」
「えっ?」
合鍵? 私は首を傾げた。合鍵ってあの可愛いクマのキーホルダーのこと?
「俺、女の子に鍵渡すなんて初めてだったら、かなり緊張してたのに、君はそれを受け取って一回使った後、あっさり俺に突き返した……」
「あ……」
「正直、落ち込んだよ……」