【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。

また強引に人の予定を決めて…。


だけど…実はちょっとだけ気になる。


黒瀧くんの住んでる豪邸も、彼の勉強法も。



もし何か、完璧な彼の秘密みたいなものがあるのなら知りたいし、成績トップの秘策があれば真似したい気もする。


そう考えたらなんだか彼の家に招かれるのも悪くない気がしてきた。



うーん…。


仕方ないわね。



「べ、別にいいけど…。

そのかわり、勉強しに行くんだからね!

デートとかじゃないからね!」


「はいはい、分かってるって。

じゃあ決まりなっ!」



ーーポンッ。



またしても、ヘラヘラと笑いながら置かれる大きな手。


なんだかまた乗せられてしまったような、そんな気もするけど…。

まぁいっか。



…ほんとはね、そこまで嫌じゃないの。


黒瀧くんに構われるのも、色々誘われたりするのも…。


素直にOKしたくないだけ。


なんか…変なの。


.


*

.


そして結局私は次の日、何も考えずに黒瀧くんの家に行くことになったのでした。


そう、本当に何も考えずに…。


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