【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。

***

「うそーっ!?

やだぁ、なんか順調じゃ〜ん!♡」



翌日、詩織に報告したら大騒ぎ。


雑誌片手にニヤニヤしはじめる。



「べ、別に、順調じゃないわよ。偵察よ偵察っ!

あの男がどんな家に住んでるのか見てみたいし、どうやって勉強してるのか知りたいだけ。

決して仲がいいわけじゃ…」


「えーっ、そう?でもなんだかんだいつも一緒にいるしさぁ。もう彼氏みたいなものでしょ。

その彼氏の部屋に行くってことは、やっぱりそういう可能性がなきにしもあらずで…。

ドキドキじゃない?」


「…はっ?可能性??」



なんの可能性よ、って聞こうと思ったら、詩織は持っていた雑誌をバン!と机の上に広げた。



「ほらー、これ見てみなよ。

彼が彼女を部屋に呼ぶのは二人の距離を縮めたいから♡だって書いてあるよ!

まさにタイムリー!」


「えぇ〜っ?」


< 105 / 289 >

この作品をシェア

pagetop