【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
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「え…ここ?」
「うん」
思わず門の前で問いかける。
目の前にデカデカと建っているそれは、想像以上に立派な豪邸だった。
「ず、ずいぶん…大きな家ね…。
アナタいったい何者?」
なんて口にしたくなるくらい。
うちだってけっこう大きいけど、なんかもっとすごいんだもん。
家の大きさ比べても仕方ないけど、ちょっと悔しい。
「はは、何者って。そんなすごいもんじゃねぇよ」
「またまた謙遜しちゃって。
自分でもほんとは自分のことすごいって思ってるくせに」
「……。
でも俺が建てたわけじゃないから。
すごいのは親父で、俺は全然すごくない」