【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
黒瀧くんに連れられて階段を上がる。
壁や出窓などいたるところに絵やアンティークの置物が飾ってあってとても素敵だった。
外観も立派だけど、中もまた立派。
さすがABCカンパニー代表の自宅って感じ。
「ここが俺の部屋」
そう言って通された部屋は、広くてとても片付いていた。
「…へぇ」
あまり物がなくてシンプルな、黒を基調とした部屋。
本棚にはたくさんの本やCD、ピアノなんかもある。
デスクには大きなパソコンがあって、その上にはたくさんの資料みたいな紙が置いてあった。
もしかしてここで親の仕事の手伝いでもしてるのかな…?
「俺なんか飲み物持ってくるから座ってて。
コーヒーと紅茶と他にも色々あるけど何か希望ある?」
「じゃあ…アイスのジャスミンティーで」
「わかった」
そして本当に自分で飲み物を取りに行ってくれた。