【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。

そんな時彼が戻ってきて。


黒瀧くんは飲み物の入ったトレーをテーブルに置くとすぐ、私のところまでやってきた。



「…何見てんの?」



…どきっ。



「…写真。

黒瀧くん全然顔変わってないのね」


「だろ。よく言われる」


「剣道部だったんだ?」


「そうだよ。

モモは合唱部だったよな?」


「よく知ってるわね」


「まぁね。モモは有名だったし」



とかいって、あなたも負けないくらい有名人だったけどね。


さすがに部活までは興味なくて覚えてなかったけど。


いつも成績良くて気に食わなかった。


そのうえこんな美人な彼女までいたとは。


ずいぶんなリア充中学生だこと…。



「っていうかこの人誰?」



だから思わず聞いてしまった。


本当は聞くつもりなかったのに。


すると黒瀧くんはその写真を見て、



「えっ、あぁこれ?」



次に私に目をやると、意地悪く笑った。



「はは、このコね。

うーん、誰だと思う?」


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