【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
だからもう勢いで、彼の胸をぐっと押しのけてしまった。
黒瀧くんは驚いた顔で後ろに手を着く。
「…っ、と、友達って言ったでしょ!!」
勢いのまま言葉が出てくる。
なんだかもう、わけがわからず混乱してた。
顔が、全身が、沸騰しそうなくらいに熱い。
本気で嫌なわけじゃなかったけど…。
あれ以上近づかれたら、恥ずかしくて死にそうだったから。
「……」
黒瀧くんの顔が見れない。
バクバクと胸の音がうるさくて。
だけど下を向きながら黙り込む私に、彼は小さく言った。
「……そうだよな。ごめん」
それはそれは悲しげな声で。
驚いて少し顔を上げる。
そしたらそこには、今まで見たことがないくらい悲しそうな、傷付いた顔をした黒瀧くんがいた。
ーードクン…。