【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。

***

放課後、私は下駄箱の前の廊下で黒瀧くんを待ち伏せた。


…仕方なくね。


このまま気まずいのも嫌だから、一応謝ってあげることにしたの。


なんで私の方から謝らなくちゃいけないのよって感じだけど。


なんか、ずいぶん落ち込んでるみたいだから。



ざわざわと人が流れてくる。


通り過ぎる人たちの中に黒瀧くんの姿を探す。


だけど、そんなに必死で探さなくても、彼はすぐに見つけられた。


だって、すごく目立つから。



特に派手な格好してるわけでもないのに、人一倍容姿の整った彼は人ごみの中でも一瞬で分かる。



「あっ…」



呼び止めようと近づいてみる。


すると会話が聞こえてきて…。



「えー、じゃあ俺ん家でみんなで勉強する?」


「賛成!なぁ、翼も来いよ」


「そうそう、恋わずらいもほどほどにしてさ〜」


「うるせぇ、恋わずらいとか言うな」


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