【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
ーードクン…。
耳元で呼ぶ優しい声に、心臓が音を立てる。
「ううん、ごめん。
俺のほうこそごめんな」
「…っ、べつに、謝らなくていいわよ。
だから離し…」
「モモの笑った顔見たら俺、止まんなかった」
「えっ…?」
な、何を言い出すの。急に…。
黒瀧くんはさらにぎゅっと腕に力を込める。
「…よかった。嫌われたかと思ってた」
「そ、そんなので嫌いになるわけないでしょっ」
「よかった……」
そうつぶやく声は本当に、心から安堵したかのようで。
なんだかとても胸の奥がむずがゆくなった。
なんだろう…。
黒瀧くんは、私が思ってる以上に、私のことを好きなのかもしれない…。
そう思ったら恥ずかしいけど、ちょっと嬉しくて。
みんなの視線に晒されながらも、彼の腕の中で、恥ずかしいのにどこかホッとしている自分がいた。