【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。

.


*

.


そして帰り道ーー。



二人で並んで歩いていると、黒瀧くんは急に語り始めた。



「…俺さ、モモに友達って言われて、

けっこーショックだったんだよね」


「えっ?」



そういえば…

そんなこと言ったっけ、私。



「なんだ俺、やっぱ友達としか思われてねーんだって思ったら凹んだ。

自分で友達からでいいっつったはずなのに」



…なんだ、分かってるんじゃない。自分で。



「おかしいよな。いつの間にか欲張りになってた。

モモと一緒にいるうちにだんだん、欲が出てきたっつーか…」


「……」


「調子乗ってたかもしんない」


「そうね」



とか返しちゃう私は、相当可愛くない。


だけど、黒瀧くんはそれを見てクスッと笑った。



「手強いな〜、相変わらず」


「あ、当たり前よっ。

私、そんな安くないもん!」


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