【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
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「お疲れー」
「お疲れ様でしたー」
練習を終えるともう外は暗くなっていた。
みんな一斉に下駄箱へと向かう。
私はなんとなく翼くんと一緒に帰りたくなくて、詩織を連れてさっさと下駄箱まできてしまった。
だってまた白百合さんにつかまってたし。
無様な演技見られちゃったし。
「いやー、それにしても今日楽しかったわ。
桃果の演技最高」
「ちょっと、バカにしないでくれない?」
詩織はさっきからずっと面白がっていて、完全に私のことをネタにしていた。
「でもさすがの桃果も白百合さんには嫉妬するんだね」
「…なっ!」
「演技に怒りがこもってたもんね。リアルだったわー。
だって白百合さん翼くんにデレデレだもんね」
「…っ、やっぱり!?そう思うでしょ!?
…はっ!」
思わず口をふさぐ。
そしたら詩織に言ったわね、とばかりにニヤっとした目で見つめられた。