【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
♡眠り姫に口づけを
ーーもう魔女なんてやりたくない。
劇の練習なんてやりたくない。
いっそのこと熱でも出ればいいのに…。
そんなことを考えながら眠ったら、翌朝本当に熱が出ていた。
なんて都合のいい体なんだろう。
「大変です、お嬢様。
38度五分もありますよ」
世話係の梅子が体温計のデジタル画面を私に見せる。
私はそれを見て内心なんだかホッとしてしまった。
「あらまぁ、仕方ないわね。
今日は休むわ。
学校に連絡よろしくね」
梅子にそう言いつけるとゴロンと寝返りを打つ。
そしてそのまま詩織にLINEを送った。
『熱出したから休むね。
翼くんには言わないで』