【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
…なんでこんなことを書いたのか。
もし私が熱を出したとか知ったらたぶん、翼くんのことだから心配して見舞いにでも来そうだと思ったから。
正直今はあんまり会いたくない。
彼から逃げてしまう。
連日の劇の練習で心身ともにすり減らした私は、今はただ一人になりたくて、何も考えたくなかった。
どうしてだろう。
いつからか、全てが空回りし始めて。
白百合さんが転校してきてからというもの、なんだかすべてが狂ってしまった気がする。
それまではみんなが私をチヤホヤしてくれて、注目してくれて。
なのに、今では誰も私に目を向けてくれない。
そのうえ魔女役かぴったりだなんて言われる始末…。
所詮自分はその程度だったんだって、もとからプライドの高い私はもうズタボロだった。