【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
♡白百合さんの本気と、アクシデント
「わぁっ!桃果ちゃん、やっぱスタイルいいね〜!
すっごく似合ってるよ〜!!」
「そうかしら」
「魔女のドレス!」
「……」
芸術祭まで残すところあと3日。
私たち演劇の選抜組は、今日も劇の稽古や衣装合わせやらで大忙しだった。
今日から実際に衣装を着て練習することになっている。
みんな手芸部が作ってくれた本格的な衣装に身を包み、すっかり役になりきって楽しそうに談笑していた。
「ふふふ、なんか邪悪な感じ漂ってるわね。
でもさすが桃果、キレイよ」
「一言余計だから」
ナレーター役の詩織がヨーロッパの町娘のような衣装を着てからかってくる。
白百合さんの登場ですっかり悪役美女のイメージが張り付いてしまった私は、ちょっと不服ながらも、そのドレスが意外とデザインが良かったことに安心していた。
まぁこれなら…悪くないわね。