【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。

それは一体褒めてるんだか嫌味なんだかどっち?

って言いたくなっちゃうけれど、それをグッとこらえて愛想笑いをしておいた。



「…あはは、ありがとう。

白百合さんの衣装も素敵よ。とっても」



思わず語尾が低い声になってしまう。


これじゃまるで本当に姫を嫌う意地悪な魔女みたい。


別にお世辞を言ってるわけじゃないけれど、相変わらず対抗意識を隠せない自分が嫌になった。



うぅ…やっぱりなんか、悔しい。


衣装の差も、扱いの差も…。



するとその時、向こうから女子の歓声が。



ーーきゃぁぁぁぁ〜っ!!!



「えっ?」



何かと思って振り返ると、そこにはちょうど王子の衣装に着替えた翼くんがヘアセットなどを終えて出てきたところだった。


瞬時にして女子が群がる。



「すごいっ!カッコいい〜♡」


「本物の王子様みたい!!」


「一緒に写真撮って〜!」


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