【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
…ナニソレ。
聞いてないんですけど。
「有栖川さんつーくんと仲良いもんね、羨ましい。
私ももっと仲良くなりたいなぁ…。
つーくんってほんとにカッコイイよね。優しいし」
「エ…」
その言葉を聞いて、なんだかものすごく変な気持ちになった。
というか、違和感。
…白百合さんって、こんな感じだったっけ?
なんかちょっとイメージ変わるんだけど。
っていうかその前に…
堅苦しいとか言いながら私には名字だしね。
この女…。
「あっ、つーくん!」
と、思ったらすぐそばから翼くんのもとへ駆け寄った彼女。
満面の笑みで。
「すごい!衣装すごく似合ってるね!
本物の王子様みたいだよ」
「そうか?けっこう恥ずかしいんだけどこれ…。
白百合こそ、ドレス似合ってるじゃん」
…ハァ?
「えっ?ほんと?ありがとう…!♡
つーくんにそう言ってもらえると嬉しいな。
今日も練習頑張ろうね!
つーくんの足引っ張らないよう頑張るね」
「あぁ、俺も頑張るわ」
「……」