【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
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「鏡よ鏡、世界で一番美しいのはだあれ?」
「はい、それはお妃様にございます」
「ホホホ、やはりそうか。
この世に私より美しいものなど、いるわけないわ。オホホホホ!!」
午後からいよいよ私たち一年生の劇「白雪姫」が始まった。
劇の前に相葉くんがみんなを呼び、円陣を組んで、
みんなで一生懸命練習してきた劇、絶対成功させようぜって声を出し合った。
私は落ち込んではいたものの、今までの練習を無駄にはしたくなくて。
それにやっぱり私にだってプライドはあるから、投げ出したくはなかった。
だからこれが最後だと思って必死で魔女を演じた。
ステージの上に衣装を着て私が現れると、観客がみんなワアァ、とわいた。
その瞬間はとても気持ちが良くて。
もうこの際悪役になりきってやろうと思った。
イメージなんてもう、どうでもいい。
私にできる精一杯をやろうって。
そう思って演じたら、とても気持ちが良かった。
すんなりと役に入っていける。