【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
白百合さんは悔しいけれど、やっぱりとても美しかった。
彼女が現れた途端体育館中に大歓声が起こって、まさに選ばれたヒロインって感じ。
笑顔も仕草もヒロインそのもの。
心配していたセリフのミスもなく、彼女にしてはかなり頑張っていたと思う。
翼くん演じる王子も完璧だった。
息がピッタリの二人を、舞台袖からそっと見守る。
胸がぎゅっと痛くなるけれど、逃げ出したい気持ちをグッとこらえた。
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「…そして悪い魔女を倒した王子は無事森の奥へと進み、すると七人の小人が彼を迎えてくれました」
そして劇はいよいよクライマックス。
魔女の私は出番も終わり、ほっと一息。
だけどある意味ここからがドキドキだった。
一番見たくないシーン…。