【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。

私は一瞬思考が停止する。


うそ…

ウソでしょ…。


ほんとに…??


嫌だ、そんなの…。



もう体育館中大騒ぎだ。



「ガチキスきたーーー!!」


「小人ナイスアシストーー!!」


「まさかの事故チュー!!

スゲェもん見たぞ!!」



私たち舞台袖の俳優陣も目を見合わせる。


それは本当に事故キスが起こった、とみんなの目にもそう見えたからで。



「ウソ…まじ?」


「ほんとにしたよな?今」


「いやー今のは当たっちゃったでしょ。

大丈夫かな?続き…」


「…っしゃあ!」



相葉くんはなぜかガッツポーズしてるし。


まるで最初から狙っていたかのようだった。



あまりの騒ぎに一瞬ステージ上でも沈黙が起こる。


だけど、ちゃんと演技は続行された。



「ここはどこ?私は誰…?

まぁ、あなたは……」



目を覚ました白百合さんの表情は心なしか、いつもより嬉しそうに見えた。


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