【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
足音がこっちへと近付いてくる。
やばい、先生かな…。
だけど、その姿を目で確認した時、私は心臓が止まりそうになった。
…っ!?ウソでしょ。
「…っ、はぁ…。よかった……。
モモ、やっと見つけた…」
息を切らしながら現れたのは、今一番会いたくない人だったから。
どうして…。
どうして翼くんがここにいるの?
「や…。いやっ!来ないでっ!」
思わず泣いてる顔を隠すように後ろを向く。
だけど翼くんはそんなの聞かずに私のそばまで駆け寄ってきた。
なんだか心がついていかない。
会いたくないのに…。
来てくれて嬉しいような、でももう顔も見たくないような、どうしようもない気持ちで。
「こんなカッコでこんなとこいたら風邪ひくだろ」
翼くんは私の腕をつかまえる。
だけど私はとっさにそれを振り払った。
「…さ、触らないでっ!!」