【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。

***

…そして迎えたクリスマスイブ当日。



「さむ〜い!」



凍えるような寒さの冬空の下、私は駅で翼くんと待ち合わせをしていた。


羽山の車を降りたとたん、あまりの寒さに声を上げる。



「お嬢様、大丈夫ですか?」



羽山は心配してくれたけど、私は寒さにへこたれてる場合じゃなかった。


だって今日は待ちに待ったクリスマスデート。



「べつに平気よ、このくらい。

行ってきまーす!」



元気よくそう告げて走り出した。



待ち合わせ場所に着くと、もうすでに翼くんが待っていた。


その姿を確認してホッとする。



「お待たせ。ごめんね、待った?」



なんでもない顔して声をかけるけれど、心の中では嬉しくて仕方がなかった。



「あ、モモ。

ううん、俺もさっき来たとこ」


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