【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。

それは小さな箱。


そう。まるで、アクセサリーでも入っていそうな。



「え…?」



私はそれを見て、一気に怒りがしぼんでいく。


まさか…



「これ買うために、バイトしてた」


「ウソ……」


「自分で稼いだ金じゃねぇと、カッコ悪いだろ」



翼くんはそう言うと優しく笑って、私にその箱を握らせる。



「開けてみて」



ーーどきん。


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