【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
運動神経抜群の宮野さんがたまりかねてアドバイスしてくれる。
私は顔を赤くしながら頷いた。
恥ずかしい…。
いつだってみんな私を褒めてくれるのに。
体育の時間だけはみんなに憐れみの視線を送られる。
しかも暇そうな男子達まで試合を見に来てるし。
「桃果ちゃんドンマーイ!」なんて言われても、嫌味かと思える。
見ないで。
私を見ないで。
頼むから…!
そんなふうに心で唱えていたらまた、目をつぶってレシーブしてしまった。
ボールを真後ろにスコーンと飛ばす私…。
「桃果ちゃんっ…、」
「あぁ、ごめんなさい〜!」