【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
あの、これは……
喜んでいいの?
っていうか、あんなカッコ悪いとこ見て惚れるとか、この男やっぱりちょっと変なんじゃない?
呆れたようにつぶやいてみる。
「アンタ……変わってるわね。
変な男」
とか言いながら、内心あまり悪い気はしなかったりして。
そんな自分が不思議でたまらない。
なんで単純なんだろう。
ちょっと上手いこと言われたくらいで…。
「…そーかな?
俺はそうは思わないけど。
でもちょっとは付き合ってみる気になった?」
「…っ、な、なんでそうなるの?
私はまだ婚約とか…!」
「うん。
今はとりあえず友達から」
「…えっ?」
黒瀧翼はふいに私の手を握る。
ーーどきん。
「ちょっ…」
なにしてんの〜!?
「俺と結婚を前提に、友達からでいいので付き合ってください」