【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
朝早くからインターホンの音。
「あら、誰かしらね」
ママがモニターを確認する。
するとそこにはなにやら黒い車と人影が映っていた。
「…誰?」
「奥様、私が」
すかさずママの代わりに応対する羽山。
「どちら様でしょうか」
だけど、モニター越しに聞こえたのは驚くべき名前だった。
『…どうも、おはようございます。
私黒瀧家使用人影山(かげやま)と申します。
坊っちゃまの言いつけで、桃果お嬢様をお迎えにあがりました』
…はっ!?
『…あ、いいよ影山俺が言うから。
どうもお久しぶりです黒瀧です。おはようございます。
桃果さんはいらっしゃいますか』