【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
「はい、モモ。食べてみて」
黒瀧くんは一枚焼き終えると、焼きたてホカホカのお好み焼きをお皿にくれた。
「…どうも」
騒がしい店内。
よくわからない懐メロのようなBGM。
普段絶対来ないような場所に違和感ありまくりな私はなんとも言えない気持ちだったけど、
お腹がすくのだけは仕方なくて、それを一口食べてみた。
「い…いただきます…」
ただよってくる香ばしい香り。
ふわっと口の奥に広がるだしの味。
……!
「…えっ……おいしい…」
気がついたら無意識に、言葉が出てしまっていた。
うぅ……どうしよう…。
悔しいけど、めちゃくちゃおいしい。
お腹がすいているからなおさらかも。
やだ、またしても黒瀧くんにしてやられた…。
「なっ、だから言ったろ?」