【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
黒瀧くんは狙い通りとでもいった顔で、ニッと笑ってみせる。
あぁ、悔しい〜…!
こんなデート嫌なのに。
期待はずれなのに。
口にしたそれが美味しすぎて、食べる手が止まらない。
こんなにおいしいお好み焼き、食べたことない。
なんでこんなB級グルメみたいな店知ってるのよ。
お金持ちのお坊っちゃまのくせに…!
完全に彼の思惑通りじゃない。
「あ…味はね!
味はまぁ…すごくいいんじゃない。
デートで来るような店じゃないと思うけどね!」
意地でも素直に褒めたくないみたいな、意固地な私。
「ハハ、そっか?
でも美味しいものって、見た目や値段じゃねーじゃん。
なんだってそうだよ。付き合う相手だってそう」
「…えっ?」