【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
いつのまにか正直にそんなこと言ってる。
半分ヤケクソだけど、でもちょっと楽しかった。
食事のマナーも、歯に青のりも、髪に匂いがつくとかも気にしないで好きなように食べる。
そういう外食もたまには、悪くない。
黒瀧くんの前では別に、いいところを見せようとか、みんなの憧れの有栖川さんでいなくちゃとか、そんなこと思わなくていいから。
ちょっとラクにいられる。
そういう意味ではこういう付き合いもアリなのかも。
だってあくまで友達だし。
いいところの御曹司で、みんなにチヤホヤされてるわりには意外にも庶民的で、飾らない彼。
そんな彼と共にする時間は、意外にも心地よかった。
なんだろう…。
ほんとに、変な人。
あ、調子に乗りそうだから絶対口にはしないけどね。
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私たちはお腹いっぱいお好み焼きを食べて、制服から香ばしい匂いをただよわせながら電車で一緒に帰った。
黒瀧くんはちゃんと家まで送ってくれて。
初めてのデートは実に庶民的で、ロマンチックのかけらもなくて…
でも楽しかった。
自分の中に眠っていた、意外な自分を発見したような
そんな不思議な1日の出来事…。