【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。

全然話が噛み合ってないんだけど…。


ダメだこりゃ。


パパったら、黒瀧くんとの婚約を私が断るかもなんて、全く頭にないんだわ。


何言っても全然聞いてない。


うまくいかなかったらどうすんのよ。


はぁ…。


でもまぁ、嫌だと思ったらその時はハッキリ断ってやればいいもんね。


とりあえず今は保留ってことで。



薄暗い夕暮れ時。


窓の外は車がみんなライトをつけ始めてる。


私はそれをぼんやりと見ていた。



べつに…嫌いなわけじゃない、彼のこと…。


でも好きになったらちょっと悔しいって思う。


一緒にいるのは嫌じゃないけど…


まだ完全に認めたわけじゃないから。


今日だってべつに、彼のために綺麗にしてきたわけじゃないの。


だけどどこか、ドキドキして…

落ち着かない自分がいた。


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