【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
***
会場に着くとすでにたくさんの人が来ていて、みんな綺麗なスーツやドレスに身を包んでいた。
中にはどこかで見たことある人も何人か…。
昔から人の顔を覚えるのはわりと得意な私。
だからこういう時はそれなりに対応することができる。
黒瀧くんの父親の挨拶、それから関係者のトークがひととおり終わると、みんな歓談タイムに入る。
私はパパに連れられて、そこらじゅうを挨拶して回った。
「こんばんは、いつもお世話になっております」
「おぉ、有栖川様!こちらこそいつもお世話になっております。
お隣にいらっしゃるのは娘さんで?」
「はい、長女の桃果です」
パパに紹介されて頭をさげる。
「こんばんは」
「これはまた大変な美人さんだ。
将来楽しみですな〜」
「いえ、ハハハ」