【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
ふと横を見ればパパはいつのまにか誰かと話し込んでる。
それに付き添う羽山。
祐二くんはどうやら一人みたいで、ちょっと面倒だったけど、ヒマだし仕方ないから少しだけ付き合うことにした。
「うーん…ちょっとだけね。
待ち合わせてる人いるから」
黒瀧くんのことが一瞬頭に浮かぶ。
でも彼は主催者側で忙しそうだし、もし逃げたくなったら彼を呼べばいいと思いその場を後にした。
.
*
.
「ハイ、これ桃果ちゃんのジンジャーエールね」
「どうも」
祐二くんにドリンクを取ってきてもらい、適当に料理のテーブルをまわった。
祐二くんは相変わらずペラペラと一人で話してくれる。
「この間親父とクルーザーで…」
だけどただの金持ち自慢にしか聞こえないその独り言は、聞いてて少しうんざりした。
はぁ…自分の話しかしないの…