【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。

私が下を向きながら恥ずかしそうにそう言うと、彼はなぜか突然スーツの上着を脱ぎ始める。



…え、なに?



そしてふと私に歩み寄ると、クスッと笑いながらその上着を私の肩にかけた。



ーーどき。



「いや…、モモが無事でよかった。

まぁぶっちゃけ、あの男の気持ちも分からなくはねぇけどな」


「えっ…?」



……なにそれ、どういう意味?



黒瀧くんは私をじっと見下ろす。



「こんなキレイなカッコしてたら、男はほっとかねぇよ。

モモただでさえ可愛いのに、反則レベル」


「え、ちょっ…」



や、やだ…。なに言ってるの…?



すると彼はそっと顔を近づけると、その額を私の額にくっつけた。



ーーどきん。



息が触れそうな距離に、ますます頭がクラクラする。



「…他のヤツに、見せたくない」


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