【完】イケメン*Twins~悪魔の誘惑~
「私、要が美神くんのこと好きっー!ていう話を高校入ってからずっと聞いてたけどさ~」
……私、こころんにそんなに言ってたっけ
声に出して言いたいが、これはこころんの独り言だ。
こころんは何も気にしないまま話を続ける
「要が美神くんに想う"好き"って
ほんとに恋愛感情なのかなぁーって
ちょっと疑問に思ってたんだよね~」
「………」
恋愛感情…だよ…
かっこいいって思うし
好きって思うし
話すだけでもドキドキするし
遠くから見つめてたいって思うし……
それは…今も変わらないよ…
「それで私、最近やっと気づいたんだよ~
要の好きって"アイドルを好き"って思うファンの子に似てるなぁ~って」
「え゛!?」
こころんの言葉に驚き、思わず声が出てしまった
──キーンコーンカーン
「はい、おーわり!
次、移動教室だよ要」
ちょうどいいのか悪いのか…チャイムに邪魔をされこの話は終わる
こころんはスッキリしたような顔をしていて、次の授業へ向かう準備を始めた
『"アイドルを好き"って思うファンの子に似てるなぁ~』
ファン……
私の今まで美神くんに抱いてた感情は
アイドルを応援しているファンと同じもの?
こころんの独り言がずっと頭から離れないまま
モヤモヤとした気持ちで過ごした。