Tell me !!〜課長と始める恋する時間
「あんたさ、泣くか食べるかどっちかにしな。」


「えっ?」


雉原さんに指摘され気付く。


涙が頬を伝っている事に。


「ご、ごめんなさい…」


「別に謝る事じゃないけどさ。だけど、やっぱりちゃんと話した方が良いよ、あんたと三鬼と二人でさ。」


「雉原さん…でも、」


「なにをどう話せば良いのか分かんないって言うんだろ?んなもん、分からなくて良いんだよ。あんた、あの時言ったこと覚えてる?」


「あの時?」


「初めて私と居酒屋で話した時のこと。」


記憶を辿ってみる。


「あっ…私、」


「あんた、私に言ったじゃない。三鬼にさ、自分の思いをちゃんと伝えるんだって。でないと諦められないって。ちゃんと気持ち伝えなきゃ、きっと後悔するってあんた、あの時言ったよね?」


そうだった。


私、課長に伝えるって決めたんだった。


課長のことが好きっていう気持ちを目一杯伝えるって。


それで、もしこの関係が終わる事になったとしても課長の事を心から愛する存在がいたんだって事を伝えることが出来たならそれでいいって。


誰にも愛された事が無いって言う課長にそんな事ないよって言ってあげなきゃ。


でないと、でないと、














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