Tell me !!〜課長と始める恋する時間
テレビでは主人公タケシが一度は別れを告げた雅美の元へと急いでいた。
走って、走って、走って…そして、
派手に転んだ。
この演出いるのか?
それでもまた立ち上がったタケシは雅美が旅立とうとする空港内を必死に探して回る。
けれど、
結局、会えないまま一人空港で泣き崩れるタケシ…
続く…
「えー、すっごい中途半端な所で終わったじゃん。来週最終回なんだっけ?」
「そうね、確か来週が最終回よ。せっかく雅美の元に走ったのに間に合わないとはねぇ。タイミング悪いわねぇ。あそこで派手に転けてるからよ。だけど、あんたは今なら間に合うんじゃないの?」
「えっ、何が?」
ドラマの話をしていたお母さんが突然そんなこと言うからびっくりした。
「何がって…、課長さんの事、好きなんでしょ、今でも。」
「な、何言ってるのよ、お母さん。その話はこの前、終わったじゃない。全部話すから、その代わりこの話はもう二度としないでってお願いしたでしょ。」
あれこれ詮索されたくなくてそれを条件に全部話したというのに。
「杏子。」
「なによ。」
「お母さんね、お父さんと結婚して本当に幸せだと思ってる。」
いきなり、惚気けちゃってなんなの?と言いたいところだけど、いつになく真面目に話すお母さんを見ていると何も言えなくて。
「杏子が生まれた時もお父さんとそれはもう嬉しくて。」
「うん…前にも聞いた事ある。」
お父さんが酔っ払うと大抵、最後は私が生まれた時の話になるから。
「でもね、少し間が空いてマサルが生まれたでしょ?お母さんね、杏子には随分と我慢させてきたなぁって思うの。あなたはお姉ちゃんだからって。」
「お母さん…」
「ねぇ、課長さんの事、いいの?」
「な、何よ…いいのって。」
「課長さんだってあんたのことを大事に思ってくれてるんでしょ?うちに来た時だって見てたら分かったわよ。」
「だけど…家の事情があるんだから仕方ないじゃない。世の中にはどうにもならない事って結構、あるんだよ。ドラマみたいな訳にはいかないって。」
走って、走って、走って…そして、
派手に転んだ。
この演出いるのか?
それでもまた立ち上がったタケシは雅美が旅立とうとする空港内を必死に探して回る。
けれど、
結局、会えないまま一人空港で泣き崩れるタケシ…
続く…
「えー、すっごい中途半端な所で終わったじゃん。来週最終回なんだっけ?」
「そうね、確か来週が最終回よ。せっかく雅美の元に走ったのに間に合わないとはねぇ。タイミング悪いわねぇ。あそこで派手に転けてるからよ。だけど、あんたは今なら間に合うんじゃないの?」
「えっ、何が?」
ドラマの話をしていたお母さんが突然そんなこと言うからびっくりした。
「何がって…、課長さんの事、好きなんでしょ、今でも。」
「な、何言ってるのよ、お母さん。その話はこの前、終わったじゃない。全部話すから、その代わりこの話はもう二度としないでってお願いしたでしょ。」
あれこれ詮索されたくなくてそれを条件に全部話したというのに。
「杏子。」
「なによ。」
「お母さんね、お父さんと結婚して本当に幸せだと思ってる。」
いきなり、惚気けちゃってなんなの?と言いたいところだけど、いつになく真面目に話すお母さんを見ていると何も言えなくて。
「杏子が生まれた時もお父さんとそれはもう嬉しくて。」
「うん…前にも聞いた事ある。」
お父さんが酔っ払うと大抵、最後は私が生まれた時の話になるから。
「でもね、少し間が空いてマサルが生まれたでしょ?お母さんね、杏子には随分と我慢させてきたなぁって思うの。あなたはお姉ちゃんだからって。」
「お母さん…」
「ねぇ、課長さんの事、いいの?」
「な、何よ…いいのって。」
「課長さんだってあんたのことを大事に思ってくれてるんでしょ?うちに来た時だって見てたら分かったわよ。」
「だけど…家の事情があるんだから仕方ないじゃない。世の中にはどうにもならない事って結構、あるんだよ。ドラマみたいな訳にはいかないって。」