Tell me !!〜課長と始める恋する時間
「桃原さん、そのだらしない顔、やめてもらえますか?チョコの美味しさが半減しそうなので。」


「失礼いたしました…。」


顔を締めれる限り引き締める。


「嘘です。白状するとチョコを味わうより君をどうやって味わおうか、その事で今、僕の頭の中はいっぱいです。」


「あ、味わう?」


体中の熱が頬に一瞬で集まる。


「そうですね、先ずはその柔らかな頬から…」


眼鏡を外すとチョコと一緒にテーブルに置き、そのまま私の頬に軽く口付ける課長。


そのまま手を添えられ、今度は耳朶を甘噛みされた。


「ひぃっ。」


「そんな色気のない声は聞きたくないですね。塞いでしまわないと。」


言葉通り、そのまま課長に唇を塞がれた。


「…っ、んぅ…」


それはもう始めから深いもので、まるでこれまでの時間を埋め尽くすかのように課長は私の唇を奪った。


「課長ぉ…」


唇が一瞬、離れた隙に呼ぶと


「直太朗と、…名前で。」


またすぐに課長の唇が深く重なる。


「ぅんっ…、な、おたろさん…ひゃっ」


名を口にすると同時にソファに押し倒された。


目の前には整った課長の顔が…


とても、近い…


どこを見れば良いのか分からない。


「僕に本気の恋を教えてくれた君の全てが欲しい。」


切な気な顔の課長に戸惑ってしまう。


あの冷静沈着、難攻不落と言われる鬼課長が私を欲しいと言ってくれている。


瞬時に人を凍らせてしまうスノーマンが熱い眼差しで私を見つめてくれている。


だけど…


「今、ここで、ですか?」


そう、ここはソファ。


せめて、ベッドに移動したい。いや、シャワーもさせてほしい。


「そう、ここで。その後、風呂に一緒に入り、そして最後はベッドへ。その予定で本日は進めたいと思っていますが、何か問題でも?」










「問題、大有りですっ。」










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