Tell me !!〜課長と始める恋する時間

「ご馳走さまでした…。」


お茶を飲みながら今日のお弁当の中身を振り返る。


一人反省会だ。


テーマは視覚から得る味覚。


中々、興味深いテーマじゃないか。


卵焼きはかなり上達してると思う。見た目も悪くないし味は前にも褒めて貰えたしね。


あとはきんぴらか?


味はまぁ、悪くないと思うんだよなぁ。ただ、見た目がねぇ。ちょっと焦げ気味だったかなぁ。


やはり、あの、焦げ気味のきんぴらを見ると美味しさ半減するかぁ。ビジュアルって大事よね。


人も同じだよね。やっぱり見た目が良いに越したことないもんね。私みたいに容姿並、頭脳並、牛丼も食べるなら並。並、並、並がオンパレードの私なんて余程、良い味出さないと勝負になんないからね。


しかしながら、こればかりは急に上達する訳でもなく、しゃあない、日々の努力あるのみだ。乾くんもそう言ってた。毎日作ってるうちに上達しますよって。


まぁ、乾くんみたいにひよこのキャラ弁とかは当分無理な気がするけど。


お弁当箱を片付けているとふと、隣から視線を感じる。


「ん?」


課長を見ると人差し指で膝を指す。


「膝がどうかしました?どこかでぶつけました?こういうのって後から色が変わるんですよねぇ。お風呂で気付いたりしてーー」


「違います。ここへ、と言ってるのです。」


ん…?


ここへ?


そこへ?



< 173 / 211 >

この作品をシェア

pagetop