Tell me !!〜課長と始める恋する時間
「君の感じやすい場所のデータを取り、是非とも今後に活かしたいとーーー」


はあ?


「課長っ。こんな時まで、いや、そんな事までデータ取らなくて良いんですっ。」


「どうしてです?事前にデータを集めておく方が効率良いのは桃原さんも分かるはずですが。」


シレッと言う課長。


アカン…


この人、ここ最近のドタバタですっかり忘れつつあったけど、データ命の人だった。


まともな恋愛する事もなく、物事全てデータを元に白黒つけてきた人だった。


「課長、恋にデータは不要です。実際、私達がそうだったじゃないですか。イレギュラーなことばかり。データなんて恋にはなんの役にも立たない。」


「確かに。まさか僕が今、君とこんな事をしているなんて…僕の過去のデータにはなかったですね。」


そう言いながらもまた首筋に唇を這わす課長。


「もぉ。や、めてくだ、さい…。」


恥ずかしさのあまり課長の胸をそっと押し返す。


「確かにこれ以上こんな事をしていると、この場で君を押し倒しかねない。さすがにそれは不味いですね。」


「お、押し倒しって…何てことを言ってるんですか。ほら、もうお昼休み終わっちゃいます。私、お化粧直したいし先に行きますね。」


恥ずかしいやら照れくさいやらで、課長の膝から急いで立ち上がったら


「桃原さん。」


と呼び止められた。







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