Tell me !!〜課長と始める恋する時間
渋々、ベッド下に落ちている下着を取ろうと体に毛布を巻き付け起き上がると
「だけど、これくらいなら…」
と、引き寄せられる。
「えっ?んっ…」
驚いている内に課長のキスが降ってきた。
唇が重なったと同時に私の口内は課長の舌に完全に支配される。
けれど、直ぐに唇は離れていく。
残念な気持ち半分。
帰らなきゃと諦めの気持ち半分。
「そんな顔しないでください。」
課長の唇が私の額に軽く触れる。
そのまま私の顔をじっと見つめる課長。
「課長…?」
「不思議ですね。」
「何がですか?」
「漸く君の全てを僕のものに出来たと言うのに、僕はまだまだ君が欲しくて仕方ない。」
そ、そんな…赤面するような事を…
照れてしまってなんと言えば良いのか分からない。
「恋とは命懸けですね。」
「ん?」
「命懸け?」
イマイチ、課長の言う意味が分からない。
「以前、君のお父様に言われた事があります。」
「以前?」
「僕が日本酒を飲んで潰れた時ですね。飲む前に言われました。」
「な、なんと?」
何となく聞くのが怖い気もするけど…。
ーーー結婚前にうちの娘に指一本でも触れたらぶっ殺す、と。
あちゃぁ…
うちのお父さんなら言いそうな事だわ。
そして、ぶっ殺しかねない。