Tell me !!〜課長と始める恋する時間
そろそろお昼って頃にふと、新着の社内メールに気付いた。


差出人、課長。


Subjectには例の件と書いてある。


ーーーー例の物を持って第三会議室へ


ってこれだけ?


て言うか、なんでわざわざ社内メールなのよ。折角、連絡先交換したのに。


とりあえず、お昼になったら言われた場所に行けばいいのよね?第三会議室って言ったらあまり使われること無いよね?


第三会議室は社長も含めた重要な内容の決議の際に使う会議室でそこそこの広さがある。なので普段はほとんど使う事がない。


まぁ、しかもお昼時に誰かが来るって事もないでしょうし、こそっとそこでお弁当渡せば良いよね?


そして正午と共に言われた場所に行く。フロアを出るとき課長の方をチラッと見たけどまだ何か作業をしているようだった。


恐る恐るノックをして、ゆっくりと第三会議室のドアを開く。


「失礼しまぁ…す。」


誰もいない様子にホッとする。


「さてと、どこに座って待っていようかな。」


こうも広いと落ち着かないよね。


一番ドアに近い席に遠慮がちに腰を下ろす。普通の会議室と違って椅子の座り心地が良い。


するとコンコンコンと行儀良く3回ノックされたかと思ったらドアが開き課長が中へと入ってきた。


「お待たせしました。あれ、先に食べてくれてて良かったのに。もしかして桃原さんの分は持って来なかったのですか?」


「いえ、持ってきてます。だけどこんな所で食べるなんて恐れ多くて…」


えっ?課長、もう席についてるし。しかも置いていたお弁当広げようとしてる?


「まさか、ここで食べるんですか?」


「桃原さんは食べないんですか?」


「いや、そりゃ、お弁当は食べますけど……でもここ会議室だし。私は社食かどこかで…。」


「こんな昼時に誰も来ませんよ。来るとしても欲情を抑えきれなくなったカップルくらいのものでしょう。」


その言い方、身も蓋もないな。








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