Tell me !!〜課長と始める恋する時間
「取り敢えず、今夜は何もかも忘れて楽しみましょう。」


何もかも忘れてねぇ。だけどさ、


「雉原さんに申し訳無くない?もう協力してもらう事も無くなったわけだし。」


あんな美女のクリスマスの夜を私なんかの事で付き合わせるなんて恐れ多い。


「ああ、大丈夫ですよ。あの人、今はフリーだし。予定通りって事で良いんじゃないですか?」


て言うか…そもそもその予定で課長とこんな感じになってんだけど。


でも乾くんなりに気を使ってくれてるんだよね。私を元気付けようと。


「うん、分かった。じゃあ、今夜予定通りって事で宜しくね。仕事早く終わらせなきゃだね。」


私は甘かった。


その夜、地獄を迎えるとはーーー














「大体、昔っからあいつはやり方が汚いんだよ。ちょっと、私、グラス空いてんだけどお代わり頼んで。後、つくねと皮もね。先にお代わり持ってきて貰って。」


「は、はいっ。かしこまりっ。」


居酒屋の店員の如く動く私。


知らなかった。


全てを凍らせてしまう雪の女王様がここにいらっしゃったとは。


「モモっ、早くお代わりっ。」


「ヒィッ、よ、喜んでっ。」


















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