Tell me !!〜課長と始める恋する時間
その後、課長はやはり綺麗な所作でお茶を飲み終えると時間も遅い事もあり直ぐに帰った。


表まで見送ると


「寒いから中に入って。」


と言う。ちょっとした事だけど大切にされてる気がして嬉しく思う。


まぁ、課長自身は大した意味もなくいってるのかもだけど。


何れにしても、いつもながらの無表情に今、課長がどんな気分なのか読み取れない。


まぁ、いい気分じゃない事は確かだけど。


「課長、本当にすいません。熱が出たとかお腹壊したとかって明日、ドタキャンしてもらって構わないので。」


「いえ、別に構いません。仮にそうしたとしても日にちが延びるだけでしょ?」


「確かに…。」


うちのお父さんの事だもん。直ぐに別の日を用意するに決まってる。それは課長がご飯を食べに来るまで続くだろう。


「それに、」


「ん?」


「桃原さんのお母様の手料理を頂けるのは楽しみでもあるから。」


「えっ、お母さんの?」


「ええ、いつも本当に美味しいお弁当を頂いてるので。」


「あっ、お弁当……」


そう言えば、この前から持っていって無いんだよね。課長とギクシャクしちゃって。そもそも課長との付き合いも解消されたんだっけ?


なのに、こんな事になって。


結局、今日、来てくれたのだって雉原さんからの地獄メールでだし…。


「課長、やっぱりお父さんに言いましょうか?私から。だって私達、ちゃんとしたつきあいじゃないし。それにーーー」


「さっき、お父さんに言った事は本当です。」


「えっ?」


驚いて課長の顔を見上げる。





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