Tell me !!〜課長と始める恋する時間
「僕に取って君は大切な部下であり、そして大切な女(ひと)でもある。それは嘘ではありません。だから、勝手な事を言いますが、」
ーーーこの先、この気持ちがどう変化していくのかもう少し見てみたい。
そう言って課長が私の頬に手を添える。
ひんやりとした感触が伝わってくる。
「課長…それってまだこの関係を続けても良いってことですか?」
「そうなりますね。お弁当もまたお願いしたい。昼食をきちんと取る習慣が付いたようで今週は空腹感に耐えれませんでした。」
と、少し照れ笑いを浮かべる課長。
期待しても良いの?
少しはこの恋の行く先を都合よく考えても良いの?
「少し話しすぎました。さぁ、中に入って。明日、お邪魔する前に少し付き合ってください。手持ちを選ぶのに桃原さんの意見を聞きたいので。」
スッと離れた課長の手を名残惜しく見てしまう。
すると、
「桃原さん、今ここで別れ際の濃厚なキスの一つでもした方が良いですか?ご家族の見ている所で。」
と、課長が見た先を振り返るとリビングのカーテンの隙間からこちらを見入る眼が6つ………
「え、遠慮しますっ。今日はありがとうございました。」
「いえ、明日の件、後ほどメールしますのでよろしくお願いします。」
そう言うと課長は静かに車を発進させ帰っていった。