生徒だけど寮母やります!2
二人が歩く廊下には、作業に没頭する各クラスの生徒たち
「高校の文化祭って感じやな」
「そうだね、中学のころと違って本当に生徒主体だからね」
雑談しながら歩くこと1分
二人は市河と咲夜のクラス、2年1組の前へとたどり着いた
するとその場で作業していた2年1組の女子たちが、二人に気づいて嬉しそうに声をあげる
「うそーっ、男子寮Bの一年生じゃーん」
「えっ、どこ?あ、ほんとだー!」
「あ、はい……俺たちのこと分かるんすか」
「もちろんだよー。今年も男子寮Bは豊作って話題だし」
「そーそー、女子寮でも一年生が話してるよね。で、何々ー、咲夜といっちーに会いに来たのー?」
あっという間にお姉さま方に取り囲まれ、二人が若干引き気味にうなずくと誰かが呼んだのか市河と咲夜が教室から出てきた
「おー、サンキュ」
二人の持つ段ボールを見て礼を言う市河
咲夜は女子たちに囲まれる彼らを見て、顔で「悪かったな」と謝りながらその段ボールを受け取ると
「二人とも年上に囲まれて困ってるって。それより早く作業に戻ろうぜー」
と女子たちに呼びかけた
「えー」
「しょーがない、戻ろー」