生徒だけど寮母やります!2


1組の教室が騒然として、廊下にいた4人は何事かとそちらを見る


中で作業していた生徒は、一時手を止めて驚いたような顔をしたり互いに何か話していた


「どういうことだ!?」

「意味が分からないよ、もう少し詳しく説明して!」

「ねぇそれ誰が言ったの?」

「デマじゃねーの!?その情報は確か!?」


何かただ事ではない状況に、市河と咲夜は顔を見合わせる


「先輩のクラス……何かあったんですか?」

そう言って怪訝な顔をする弥隼と千冬


一人の女子生徒がまだ何も知らない顔で立っている市河と咲夜に気が付くと、「大変だよ!」と焦ったように彼らに駆け寄ってきた


次の瞬間、教室がシン……と静まり返る


なぜか


周りの生徒たちは市河と咲夜に注目した


「ねぇ、これ言っていい?」


「うん……どうせすぐ全校中に広まるよ」


「な……なんだ?」


みんなが見守る中、彼女は話し出した


「今回ってきた情報なんだけど……実は、2人の寮にいる魔術科の伊吹くんの家の会社、伊吹グループに、とある組織が不法侵入して今逃走中なの」


「……え?」


「……そ、そうなの?強盗……殺人?」


咲夜は目を丸くして、彼女に尋ねる



確かにびっくりした


びっくりしたが


実際咲夜と市河、弥隼と千冬も、それでこんなに騒いでいたのか?と腑に落ちない顔をした


しかしこの話には続きがあるようだ



「そ、それで」



女子生徒はこう続けた



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