生徒だけど寮母やります!2
「それじゃあ、爽馬たちの作戦は失敗だったってこと?」
景は新幹線の加速を感じながら、首を傾げた
「失敗.....って言っていいのかな.....?まあそもそも、どうして爽馬たちYがそんな情報を欲しがってるのかよく分からないんだけど、でも、向こうも多分こうなることは分かってたと思うんだ。うちだってそれなりに大きい会社だし、そこまでセキュリティは甘くないよ」
「そうだよな.....?」
話を聞けば聞くほど奇妙な内容に思えてきて、市河は全くわけのわからないような顔をする
「だから、彼らの目的が達成できてないってことは、もしかしたら、また次にもっと大きな情報を求めて再び侵入してくるかもしれない」
「「え?」」
結斗の言葉に、他の4人は顔をしかめて驚いた
全員の思っていることを代弁してライが聞き返す
「Yが一回失敗した侵入をもう一度繰り返すと思ってんの?伊吹グループに警戒されてよりセキュリティが強化されたところで、今度は捕まって終わりだろ」
ウンウンと頷く、景、咲夜、市河
結斗は
「分かってるよ。もしかしたらって言ったでしょう」
と肩をすくめ
「確かに、ライの言う通りあの事件以来、大切な情報は持ち帰るようにしてるらしいから、万が一侵入されても大丈夫だと思う」
と頷いた
「でも、なんでそんなことしてんだろうな.....爽馬」
市河が、少しの間の後にポツリと呟く
「会えるといいけど、難しいかな」
結斗もそう吐き、しんみりした空気を変えるため
「それで、いつのまに景ちゃん、月沼と仲良くなってたの?詳しく聞かせてほしいな」
と優しく景に笑いかけた