生徒だけど寮母やります!2

息子がいくら拒んだところで、結局は自分の思い通りに出来ると思っているのか


爽馬はこれ以上何を言ったところで、話が通じることはないだろうと小さく溜息を吐き出した


その様子が癇に障ったのか、父親は

「何だ」

と僅かに眉を顰める


爽馬はいつも通りの感情の読み取れない表情で淡々と答えた


「あんたはあの手この手で僕を妖術結社に入れようとするんでしょう。でも、授業料の支払いを止められても、学校から僕の籍を抜かれても、妖術結社に行くつもりはない」


いっそ1人で生きていったほうがよっぽどマシだ

指図され駒となった人生など、きっと死んだも同然なのだから


しかし

爽馬はその言葉に僅かに口の端を上げる父親を見て、得体の知れぬ気持ち悪さを全身に感じた


なんだ.....

なんで笑ってる.....?


父親は顎を上げ、もう一度爽馬を見下するように見ると、鼻で笑ってから口を開いた


「いい根性だ爽馬。しかしそんな根性を見せられては、可哀想だからあまり使いたくなかった手を使うしかなくなってしまうな」


どういうこと.....?

父親を見る目を細め、次の言葉を身構える


そして父親の口から出てきた名前に、爽馬は戦慄を覚えた


「笠上景という生徒がお前の学校にいるね」


父親は、爽馬がこうして学校に執着する理由を作った張本人である、彼女の名前をあげたのだ
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