生徒だけど寮母やります!2
この電話の相手の日本人
小高爽馬.....
彼は結構厄介な問題を抱えているようだ
詳しくを話そうとはしないが、きっと彼自身何でもかんでも言える立場にはいないのだろう
それに、彼が嘘をついているようには思えない
ルークは小高爽馬を問い詰めるのをやめ、この冷静で聡明そうな少年がそこまでして『笠上景』という少女を守ろうとする理由に興味を持った
「じゃあそのあたり詳しくは聞きませんが.....笠上景は、あなたのガールフレンドか何かなんですカ」
この少々突っ込んだ質問に、小高爽馬は声色一つ変える様子なく
『違います』
と否定する
「あ.....haha,そうですか.....じゃあ片思いってやつですかネ」
ルークとしてはほんの冗談のつもりで言っただけだったが、小高爽馬は初めて声に優しい感情を少しだけ宿しながら
『片思い.....ですか.....』
と呟いた
『だとしたら.....それは一生続く片思いですね』
「..........え.....」
ルークが続ける言葉を見つけられないでいるうちに、小高爽馬が話題を変える
『ルーク・ウォリナーさん。この電話を切ったら、僕とあなたは他人です。
でも、もしあなたが男子寮Bに入った後に、景が僕の家へ行くようなことがあれば、この電話番号にもう一度電話を掛けて僕に教えてください。阻止します』
「え.....どうして.....」
『景が僕の家に来るということは、彼女が妖術結社に近づくということです。彼ら(妖術結社)は彼女を手に入れるためにどんな手を使うか分かりません』
ルークは一瞬言葉を失い、溜めていた息を吐き出すと
「分かりました」
そう言ってケータイを握る手を強めた