生徒だけど寮母やります!2
しかしルークの話によるところの一連の事実が分かったとはいえ
「めでたし」で片付くことはほとんど無い
「ねぇあなたたち、藤樫くんの言うことだけで、本当に小高くんを信頼するつもり?彼が許されることなんて何もないわ。あの子は、伊吹グループに侵入するっていう犯罪を犯したのよ?」
今までテーブルにじっと座って話を聞いていたマナが、その場所から景たちに問う
爽馬との関わりを持たない一年生の千冬も、状況を客観視して先輩に対し忠告した
「そうですよ。彼を信じるのはまだ早いと思います。景を守るためなら、伊吹家が経営する会社に何したって良いわけない。彼が伊吹先輩の気持ちを考えた上でこんなことをしたのなら、伊吹先輩は彼を許せるんですか」
これに対して、結斗は少し目を伏せ
口は閉じたままだった
実際、爽馬たちが伊吹グループが管理する情報や不祥事の情報を持ち出したせいで、伊吹グループの経営状況はかなり悪くなっている
もちろん許せることではない
けれど、結斗は否定も肯定もできなかった